工房に着いたらいつも車を入れる母屋の奥に直径40センチ以上、長さ3メートル前後の丸太が十数本転がっていた。車を奥に入れられないので途方に暮れていると、荷台に丸太を積んだ中型のダンプが庭に乗り入れてきた。あわてて「どなたですか、これは何でしょう?」と話を聞くと、どうも近くの工務店が処理に困っていたので、工房の大家が僕を紹介してくれたらしい。
ダンプの荷台の丸太は窯小屋脇に落としてもらい、さらにあと1回分あるという丸太は、これだけでも処理しきれないかもしれないということで丁重にお断りさせていただいた。この写真はチェンソーの作業が終わった夕方に撮ったもの。笑っているがすでに疲れ果てている。チェンソーの刃を夕方まで3回目立てした。これだけ切って、実はまだ半分残っている。しかも写真の薪はこれで完成ではなく薪割り機で適当な大きさに割る作業が残っている。45センチもある大きなものは、両手で抱えても持ち上げられなかった。これが薪割り機で割れるのだろうか・・。電動なのでモーターへの負荷にはめっぽう弱い。コンデンサーを交換したばかりなのだが、頑張ってもらうしかないな・・。
材は赤松。眺海窯(穴窯)では火力に強い赤松だけを燃やし1300度まで上げるが、赤松の煤は700度前後で燃えてしまう。暖房用のストーブではせいぜい上がっても500度から600℃、この温度だと煤が残ってしまう。松煙は墨の原料として使っていたほどで、赤松は脂が多く、火力もあるが煤が出やすいのだ。今年の冬は煙突掃除の回数がかなり増えそうだ・・。
しっかりとした丸太ですね。すごい量だな。これだけ切るのは大変なことだったでしょう。さらにこれを薪のサイズにするのはまた大変そう。しかし、赤松だけで焚けば、良い松灰が採れそう。