種まきから収穫、乾燥、粉挽き、そして蕎麦打ち。間違いなくその年の蕎麦で、何も混じっていないそば粉だけで、文字通り「十割蕎麦」の新蕎麦をここ数年楽しんできたが、今年はなんだか怪しくなってきた。
種を蒔いたのが、予定していた8月末が忙しく結局9月4日になってしまった。品種は「信濃1号」で長野県で作られた品種だが、収量性が高く味も良いということで日本各地で撒かれているようだ。小淵沢は寒地に入ると思うのだが、7月から8月が播種時期の適期ということらしい。それが、忙しいとは言え9月に入ってしまったのは、ちょっと悔やまれる。霜に弱い品種で生育期が霜のおりる時期に重ならないようにしないといけないのだ。そう言えば近所の畑では、こちらが種をまく頃には随分育っていた。
収穫は播種後、約75日。9月4日から数えると11月18日が75日目になる。今日は帯広で初霜があったというが、小淵沢の今朝の気温は9℃だった。ここの初霜もそう遠くはないはず・・。今白い花を咲かせている蕎麦は実を付けないまま終わる可能性も出てきた。昨年は新蕎麦の時期には何人かの友人に来ていただき味わっていただいたが、今年の新蕎麦は幻になるのか・・。
(20年以上前の話を思い出した。故郷の象潟の国道沿いに、「幻の蕎麦」という大きな看板を出した蕎麦屋ができたとき、地元で知られる蕎麦打ち名人の叔母がこっそり食べに行ったという。「まずかった」という簡単な感想だったが、その蕎麦屋はすぐに無くなったらしい・・。)
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