土間でロクロを回していると、どこか窓にぶつかる大きな羽ばたきが聞こえてきた。おそらく大きな蛾が迷い込んで出られずに窓にぶつかっているのだろうと思い、探してみると二階に上る階段途中の窓で、蛾とは違う大きな蝶が羽ばたいている。「オオムラサキか?」と一瞬喜んだがよく見ると、羽に青色がなかった。かつて塩尻付近の山の中で開けた河原や道をテーマにした絵を学生と一緒に描いていたときに、当たり前のように周囲に青いオオムラサキがたくさん飛んでいた。都立高校で生物を教える友人に写真を送り聴いてみると、即座に「オオムラサキのメスです」と返事が返ってきた。オオムラサキは青いものと思い込んでいた私にはそこまでの知識がなかった。
オオムラサキの記念切手がはじめて発行されたのが、私の生まれた年、1956年で翌年に日本の国蝶に指定されている、というあたりに親近感を覚えるし、一万円札にも登場する国鳥(!)であるキジもここの工房の周囲を縄張りにしている。次、春来荘には何が現れるのか楽しみだ。
しばらく見ていない青空が広がっている。今日は白根三山も甲斐駒ヶ岳もはっきりと見えている。長い梅雨が開けたのかもしれない・・。
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