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  • 執筆者の写真Goh

誰もいないはずの2階で誰かがでんぐり返し!



何の前触れもなく突然家全体が「ドンッ」と鳴った。それがリズムを刻んで3回ほど鳴ると止んだ・・。誰もいないはずの2階で誰かがでんぐり返りをしているとしか思えない。時刻は夜の8時を過ぎて、外は暗いし家の中もリビング以外は暗く誰もいるはずがなかった。今度は家の奥から「ドンッ」と2回ほど聞こえた。瞬間に腕に鳥肌が立つが、意を決して奥の部屋まで電気を付けながら行ってみるが、やはり何の気配もない・・。

外に出てみると作業小屋のある西側から強い風が庭を走り抜けている。上弦の月が冷たい風に揺らめいている。小淵沢は冬の季節に入ったようだ。春から秋にかけてカエルの声がいつの間にか虫の声に変わるのが、いかにも四季を感じさせてなかなかの風情なのだが、冬になるとここは風の通り道になる。一日中毎日のように風が吹いている。今日は朝から風が強く、隙間だらけのこの家は四方から笛のような音がするし、家中がガタガタ、ドンドン、鳴り出す。先日は布団に入ったころ、玄関の戸を「ドンドン」と2回叩く音がしたので、慌てて起き出し「どなたですか」と声をかけたが返事がなかった。

今日の天気図は典型的な西高東低の冬型だった。小淵沢のこの古い家はいよいよ魑魅魍魎の徘徊する季節になってきた。もしかすると向こう側でも肝試しをしているのかもしれない。そういえばそんな絵本があった。春までの長い肝試しの季節が始まったようだ。

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